実力差

2009年6月8日
初めて”ファン”になった漫画家・・・と言うと大げさだが、
それは藤崎竜先生である。
氏の描くオリジナリティー溢れる絵そのものも魅力の1つだが、
その世界観においては如実に他を圧倒していた。

最近・・・いつ頃からの最近かは分からないが、
ゆるい主人公が増えてきている。分かりやすく言うと、
やる気の無い主人公だ。実に面白く無い。むしろ不愉快とさえ言える。

氏の代表作である「封神演義」の主人公:太公望も
稀に見るやる気の無い主人公として書かれていた。
※表面上は・・・だが。

しかし、決定的に違ったのはその魅力である。
そのやる気の無さがマイナスに働いていないのだ。

つまり。

やる気の無い主人公を魅力的に表現するには、実力が必要なのだと。
少なくとも少年漫画の主人公はポジティブであるべきである。
ネガティブな主人公は受けない。
しかし、あえてそう描く事でギャップを利用し、漫画に緩急を付ける。

その発想は悪くない。ごく当たり前の手段とも言える。
しかし、それを”面白さ”として昇華するには、実力がいる。

近年感じるやる気の無い主人公を輝かせる事ができた
漫画家は何人いるのだろうか。
下手に博打に挑戦するよりは、まずは孫悟空やダイや花道などのように、
ストレートな主人公を描いて欲しいと思う。

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